コーヒーのカッピングは必要なのか?ドリップが「うまくいかない」原因との関係をプロが解説!
関西・大阪梅田から1駅の場所で、コーヒー器具専門店・検査機関を運営しているCOFFEE LAB KOMAMEYA の小西です。

コーヒーの現場や家でドリップをした時に「なんか今日の味おかしくない?」と感じたことはないでしょうか。
大抵はこの場合「抽出が上手くいってないのかな・・・」と感じるかもしれません。
この悩みを解決できる方法が”カッピング”という、コーヒーをお湯に漬ける方法です。

なぜカッピングが必要なのかというと、抽出方法を含めて以下3つの問題が混在しているからです。
- 抽出の問題
- 焙煎の問題
- 生豆選びの問題
例えばもし”焙煎の問題”が多くあった場合は抽出難易度が上がります。
または”生豆選びの問題”の場合は、自分が期待する風味とは違うものを選んでしまった可能性があるということです。

それらのどの問題に該当するかわからなければ、器具を変えても抽出方法を変えても自身が「美味しい」と思えるコーヒーは抽出できないかもしれません。
美味しいの定義についてはコチラ
私自身、初めて勤めた店舗では「カッピングはお客様が飲む味じゃないから必要ない」と教えられていました。
しかしその結果、現場では原因が特定できず推測で会話が進んでしまい「本当にこれで大丈夫なのか?」という不安を抱えたまま提供するという、深刻な問題が発生していたのです。
この記事では「なぜカッピングが必要なのか」という点について、過去の実体験を踏まえて解説していきます。
実際に発生した問題
まず前提として「カッピングをしていないからダメ」というわけではありません。
例えば、
- 自身・オーナーに明確な味の基準がある
- ドリップコーヒーから問題点を特定できる
- 日々の味のキャリブレーションができている
このような環境であれば、カッピングがなくても迷うことはないはずです。

当記事の本質は「目指した味ではない」という課題を特定できないことが問題であり、カッピングの有無は重要ではありません。
私が経験した現場(超初心者の頃)で問題だったのは、抽出という変数を含んだ複雑な状態でしか味を確認できなかったことです。
当時の店舗では味の確認はドリップのみで、ある日「なんか今日のエチオピア、いつもと違う」という先輩の声が上がりました。
先輩は自分自身で淹れても納得できる味ではないようで「誰か焙煎機のプログラム(当初あったのはNOVO)の設定ミスしたんじゃないか?」「生豆の保管が悪いんじゃないか?」など様々な憶測を巡らせて終始機嫌が悪かった記憶があります。

ちなみにドリップの内容は店の決めた固定レシピと挽き目一辺倒で、焙煎のプログラムも365日同じものなので、季節・気候の影響なども一切考慮されていません。
この状態では「思った味ではない」という問題に対して、ドリップの問題なのか焙煎の問題なのかは結局オーナーもわからず、いわゆる全員が「無知の知」状態でお客様にコーヒーを提供するしかありませんでした。
カッピングをするべき理由
上記の問題に関して「カッピング」という手法があれば、少なくとも”抽出の問題”と”焙煎の問題”だけは特定できていた可能性があります。
抽出の問題を特定できる
例えば「ペーパードリップで抽出したコーヒーの味が、カッピングのコーヒーよりも美味しい」と感じない場合、それはわざわざ手間をかけてドリップする意味がないということです。
ただ湯に漬けるだけのカッピングに対し、ペーパーフィルター・ドリッパー・精度の高いケトルを使用し湯の投下タイミングも考慮するのですから、当然「カッピングよりも美味しい」ことを期待するはず。

それがカッピングで感じる風味よりも「悪い」と感じる場合は、現在の豆の状態に対して適切な抽出ができていないということです。
つまりエイジングや焙煎の状態次第で”適切”とされる抽出も変わるため「決めたレシピに対して、焙煎何日後なら出したい味が出せるのか」などの、エイジング期間を確認することにも役立ちます。
焙煎の問題を特定できる
私が勤めていた店舗が出すエチオピアの風味の理想形は既にあったため、同じ豆を使用して風味が異なるのであれば、焙煎が原因という可能性を特定できたかもしれません。

仮にプログラムを間違えていたとしたら”正しい”とされる内容で焙煎した豆を、すぐカッピングで確認すれば、わざわざエイジング期間を3〜5日置かなくてもすぐに問題修正に取り組めたはずです。
以上のようにカッピングができるだけで変数を減らすことができるため、問題を具体化できなかったとしても採用するメリットがあります。
またカッピングでも「美味しい」と感じられるコーヒーを焙煎で作ることができれば、フレンチプレスなどの浸漬式抽出に統一する等でオペレーションの単純化も考えられるでしょう。
カッピングより重要な事
上記では「カッピングを取り入れると解決できる事」について説明しましたが、それ以上に大切なのは「具体的に何が問題か」を言語化できることです。
前述の内容では「抽出・焙煎に問題がある」ことだけは特定できますが、それぞれ原因の特定まではできません。
言語化が不足している例
- 何かいつもと違う
- 美味しくない
- 味が薄い
この状態では人それぞれの解釈が生まれ、ゴールが不明瞭で迷子にもなりやすいため、いつまでも理想に辿り着くことができなくなります。

もし人を指導する立場であれば、いつまでも部下と共通の認識を持つことができず、どのように改善を促すかで苦戦をすることでしょう。
では何が不足しているのか
- 理想の風味を具体化
- 定量化・数値化
- 理想との差異の提示
例えば目指すコーヒーが浅煎りだった場合「浅煎りとは何を指すのか?」を味体験で具体的に説明できたり、酸の強度がどの程度なのかを数値化できれば、改善の範囲を大きく絞ることが出来ます。
またその理想に対して焙煎・抽出したものにどの程度差異があるかも測定できれば、その原因を特定しやすく、具体的行動として改善を即座に反映する事も可能です。
総括・まとめ
今回は「問題解決にカッピングは役立つ」ということをご紹介しました。

しかし「理想の味づくり」という視点においては、カッピングという方法だけでは解決できないことも同時に感じていただけたと思います。
こんな壁にぶつかるかも・・・
- カッピングをしても言語化できない
- 違和感はあるが、何が原因かわからない
当店ではあなたの考える「理想の味」を実現するために、目指したいコーヒーの状態をヒアリングした上で、下記の内容を”センサリートレーニング”という個別授業でお伝えさせていただきます。

トレーニングで学べること
- コーヒーの評価システムの付け方
- 風味・強度の言語化・定量化
- 実際の欠点(ベイクド・スコーチなど)の体験
このセンサリートレーニングを起点として焙煎や抽出をしていただくと、問題の発見から改善までの筋道がスムーズに理解でき、少ない手数で理想のコーヒーに辿り着くことができるでしょう。
最終的にそれらを自力で行えるように、当店では体験・座学を通してコーヒーの状態を的確に表現できるように徹底サポートさせていただきます。

不明点やご要望あれば、お問い合わせ・SNSからお気軽にご連絡ください。
