美味しい・不味いコーヒーの違いとは?プロが定義を徹底解説! | COFFEE LAB KOMAMEYA

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美味しい・不味いコーヒーの違いとは?プロが定義を徹底解説!

関西・大阪梅田から1駅の場所で、コーヒー器具専門店・検査機関を運営しているCOFFEE LAB KOMAMEYAの小西です。

突然ですが、皆さんは「美味しい・不味いコーヒー」とは何だと思いますか?

例えば「高級と言われる”ゲイシャ”というコーヒーを勧められて飲んだけど、美味しく感じなかった」という方もいるのではないでしょうか。

中には「自分はコーヒーの味がわかっていないのかな」と感じた人もいるかもしれません。

または問いに対して「人それぞれ」「答えはない」という結論を持つ人もいるでしょう。

確かに「美味しい・不味い」という表現自体が主観表現なので、それを人に伝えるには抽象的すぎます。

しかし一方「それぞれ」で終わらせてしまうと、コーヒーという学問の探求が止まるとも言えるでしょう。

  • 相手は何を「美味しい・不味い」と感じているんだろう?
  • 市場の言う美味しいコーヒーとは何だろう?
  • 高価格・高品質なら美味しいのか?
  • 自分の感動を人に伝えるにはどうすればいい?

上記のように「美味しい・不味い」を探求する時、コーヒーの品質・価値の測定に留まらずコーヒーを通して自分と向き合い、他者とコミュニケーションする事に帰結します。

そのためには「自分は何を美味しいと感じているのか」を相手に伝わるように的確に表現し「相手はこのコーヒーをどう感じているのか」を受け取れるようになる必要があります。

そこに正解・不正解や優劣はありません。

相手との感じ方の差異を理解し、逆にどこに共通見解があるかを探ることで、対象とするコーヒー像を客観的に評価できるようになります。

この記事では、

  • 「美味しい」の基準は何なのか
  • コーヒーの「味がわかる」とはどういうことか
  • 正しくコーヒーを評価するにはどうするべきか

この3点を中心にお話しします。

「美味しい・不味い」は絶対的な評価なのか?

他人が時折発する「美味しい・不味い」は絶対的に”その通り”と言えるでしょうか?

例えば”世界大会で優勝したバリスタ”や”神の舌を持つ”と言われる権威・実績のある人が「このコーヒーは美味しい」と言えば、それは万人にとっての「美味しい」になると言えるでしょうか。

おそらく「そうではない」と感じたと思います。

逆に言えば、あなたの思う「美味しい・不味い」も、誰かにとっては「そうではない」と捉えられるかもしれません。

なので、他人が発した「美味しい」に対して「そんなはずはない!」「不味いに決まっている!」「あの人は味が取れていない!」などと断じることはできないのです。

どれだけ論理的な前提を並べても「だから美味しい」「だから不味い」という主観評価による結論を人に強制できません。

「感じる・感じない」は個性である

コーヒーの味を感じ取る時に「あの人は味が取れている(わかっている)」「取れていない」というような言葉を度々耳にしてきました。

しかし、Qグレーダー・CSP(Coffee Skills Program)・審査員・カップテイスターズなど様々な経験を通して「自分は人よりも優れた感覚器官を持っている」と確信したことは1度もありません。

代わりに「どの香りが感知しやすく・どの傾向の感知が苦手」ということは認知しています。

例えば、嫌いな食べ物(例えば僕の場合はパクチー)が料理に少しでも入っていたら、気付いてそれだけ皿の端に避けたり食が進まなかった経験は無いでしょうか。

人によって、それがキノコだったり野菜だったりするのが個性です。

逆に好きでも嫌いでもないものがハンバーグに混入していても、ハンバーグの一要素として受け入れるのは自然で「このハンバーグには少しだけニンジンが入っている」と認知しながら食べるのは難しいでしょう。

なので、もし自分がグリーンを感知したとして「このコーヒー草のような臭いがして不味い!」と伝えた時に「そんなもの感じないよ?」と言われても「この人ネガティブな味取れてないんだ」と決めつけるのは早計なわけです。

「もしかしたら自分が感知しやすいだけ?」など、周りの反応を確認しながら自身の立ち位置をメタ認知することは、センサリーでは非常に重要なポイントとなります。

逆も然りで、周りが言っている事を認知できない場合は「自分はこの識別が苦手なんだな」という傾向を把握できる絶好のチャンスなわけです。

点数が高い=美味しいではない

上記のように「コーヒーに絶対評価は無い」となった場合「じゃあコーヒーに点数をつけられないのでは?」という事になります。

これについては「市場ではどう評価されるのか?」に準拠して(本来は)点数をつけています。

つまり「自分は美味しいと感じるか?」は関係なく「この特徴を持つのであれば、一般的にはこの点数になる」という評価を下す必要があります。

ですので「点数が高くても苦手なコーヒー」というのが存在するのです。

僕の場合「かっ○えびせんの梅味にしか感じない」コーヒーがあるのですが、それがQグレーダーやSCA関連の演習において「86点前後の評価」として出てくることがあります。

なので自分の好みとの相違性を認知しながら、それを「市場では好ましいとされるもの」として、表れる特性に基づいて冷静に評価をするのです。

特にQグレーダーは、このように「自分の好みと切り離してコーヒーを公平に評価する」ことをトレーニングします。

以上のように、点数が高いからといって「自分が思う美味しいコーヒー」ではない可能性もあるということです。

総括・まとめ

「美味しい・不味いコーヒーとは何か?」に対する回答として「一般的な市場を考慮した”好ましい”とされる評価基準はあるが”美味しい・不味い”という主観評価は各個人により異なる」と言えます。

そして「美味しい・不味い」という主観的評価においては自分が何を以て美味しい・不味いと感じているのかを理解し、それを言葉にして共有することが重要です。

それにより他者とコミュニケーションを取り、同じコーヒーについての像を多面的かつ深く掘り下げる事ができます。

なので、コーヒーの「美味しい・不味い」の評価としてより正確性を求めるのであれば、単独ではなく複数人数で見解を出し合う方が有意でしょう。

それに加えて「なにか違う」「なにか美味しくない」などに見られる「なにか」を追求することも、自分を知ることに繋がる訓練になるわけです。

しかし、実際に「なにか」までは言葉にできないと感じる方もいるかもしれません。

COFFEE LAB KOMAMEYAのセンサリートレーニングでは五感を使った体験を通して、その”なにか”を明確にするお手伝いをしています。

審査員・Qグレーダー・CSPなどのスキルプログラムの経験をもとに「感じたことを言葉にする」ためのステップを、実践を通して導きます。

美味しさや感動を、自分の大切な人やお客様に伝えられるようになること。

それはコーヒーを仕事にする方にとっても、趣味で楽しむ方にとっても、大きな財産になるはずです。

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